婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

翌日、私は仕事を休んで、圭司の病院へと向かった。

芹香さんのいない時間に圭司と話がしたかったから…。

「圭司…?」

私は病室のドアを開け、中へと入った。

圭司は、眠っているようで反応がない。

私はイスにすわって、圭司の寝顔を見つめた。
もう 熱は下がったようだけど、顔色がとても悪い…。圭司のおでこに触れた手をゆっくりと離した。

「なつ…?」

圭司が力のない声で呟いた。

「あっ 起こしちゃってごめんね。大丈夫?」

「悪かったな 迷惑かけて…。 俺も年かな…あんまり無茶できないな。」

そう言って、圭司は微かに笑った。

弱々しい圭司の声を聞いて、決心が鈍りそうになったけれど、私は心を鬼にして離婚届を差し出した。

「圭司 別れて欲しい…。」

圭司は、離婚届をしばらく見つめ、ふっと寂しそうに笑った。

「退院まで待てないくらい、一刻も早く俺と別れたいか…。」

私は何も言えず俯いていた。
しばらくして、圭司は諦めたように言った。

「わかったよ… もう 俺達無理なんだろ…?
退院したら出しておくから、そこ置いといて」

私は、ベッドの横に離婚届を置いて、その上に指輪とマンションの鍵を並べた。

「あいつのとこに 行くのか…?」

圭司の切ない声に胸が張り裂けそうになりながら私は黙って頷いた…。

病室を出た途端、涙が一気に溢れ出した。
さようなら…圭司。
芹香さんと幸せになってね…。
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