婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
深い愛情

圭司との別れから、二ヶ月が過ぎようとしていた。

私は、あの後すぐにマンションを出て都内にある実家へと戻っていた。
圭司には、松井くんの所へ行くと嘘をついたから、まさか私が実家にいるとは思っていないようだった。

長野の別荘に暮らす両親には離婚したことをいまだに報告できずにいた。
あんなに、私達の式を楽しみにしてくれていたのに…。
申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

結局 苗字も瀬崎のまま変えられず、私は圭司への未練でいっぱいだった…。

携帯もアドレスもすべて変えたのに、着信がある度、期待してしまう…。


「なつ 今度、合コンでも行かない?」

ランチを食べながら、葵が突然言い出した。

「えっ!合コン…?」

「そう 合コン! いつまでも、別れた旦那さん引きずってないで、なつも次の出会いを見つけなきゃ…!」

葵はふさぎ込む私を心配して、色々な場所に連れ出してくれている。でも さすがに合コンは…

「うん…。でも 今はそんな気になれないかな…。もうすぐ ウエディングプランナーの試験もあるし…。」

「もう なつはそういうとこ真面目だよね…たまには、羽目外すのもありだと思うけどね。」

「そうなんだけど…。」

「あっ それより さっきね 先輩が話してるの聞いちゃったんだけど、松井が大阪に移動になるかもだって…。なつ 何か聞いてる?」

葵に言われて、ふと思い出した。

「あっ そう言えば、さっき 室長に呼ばれてた気がする…!」
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