婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「あっ 芹香さん…?」
電話はもう切れてしまっていた。
「なつ…?」
受話器を持ったまま立ち尽くす私に、圭司が声をかけた。
「あっ 圭司 今 芹香さんからだったんだけどね… 芹香さん 今日の飛行機でロシアに行っちゃうんだって…。」
「うん 知ってるけど…。」
「見送り…」
「ん…?」
「見送りに行かなくていいの…? 今からなら式まで余裕あるし…。芹香さん 圭司のこと誤解してるみたいだったよ…。」
「見送りって なつ 本気で言ってんの?」
「えっ…?」
「さっきだってあんなこと言うし。ほんとにいいの…? 俺を芹香のとこに行かせても…。
もしかしたら 芹香の気が変わって式に行かせないようにするかもよ…?」
圭司が試すような口調で私に言った。
「もう芹香さんはそんなことしないよ…。」
「そうだね でも 行かないよ。芹香と俺は別れたんだ。もう俺があいつに出来ることなんて何もないよ。昔の男なんて引きずってたって幸せになれないだろ? それに 俺はなつだけで手一杯なんだから…。」
「うん… ごめん 私 出しゃばったこと言ったよね。」
うつむく私の頭に、圭司は優しく手を乗せた。
「でも ありがとな。さっき 芹香にああ言ってくれて…。」
「うん…。」
「それから なつ…誕生日おめでとう。ちょっと 後ろ向いて…。」
そう言って圭司はピンクダイヤのネックレスを私につけてくれた。