婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

「あっ 芹香さん…?」

電話はもう切れてしまっていた。

「なつ…?」

受話器を持ったまま立ち尽くす私に、圭司が声をかけた。

「あっ 圭司 今 芹香さんからだったんだけどね… 芹香さん 今日の飛行機でロシアに行っちゃうんだって…。」

「うん 知ってるけど…。」

「見送り…」

「ん…?」

「見送りに行かなくていいの…? 今からなら式まで余裕あるし…。芹香さん 圭司のこと誤解してるみたいだったよ…。」

「見送りって なつ 本気で言ってんの?」

「えっ…?」

「さっきだってあんなこと言うし。ほんとにいいの…? 俺を芹香のとこに行かせても…。
もしかしたら 芹香の気が変わって式に行かせないようにするかもよ…?」

圭司が試すような口調で私に言った。

「もう芹香さんはそんなことしないよ…。」

「そうだね でも 行かないよ。芹香と俺は別れたんだ。もう俺があいつに出来ることなんて何もないよ。昔の男なんて引きずってたって幸せになれないだろ? それに 俺はなつだけで手一杯なんだから…。」

「うん… ごめん 私 出しゃばったこと言ったよね。」

うつむく私の頭に、圭司は優しく手を乗せた。

「でも ありがとな。さっき 芹香にああ言ってくれて…。」

「うん…。」

「それから なつ…誕生日おめでとう。ちょっと 後ろ向いて…。」

そう言って圭司はピンクダイヤのネックレスを私につけてくれた。





< 144 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop