穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
「お兄ちゃん」

と、私がずっとそばにいてくれたお兄ちゃんに声を掛けたのは日曜日のお昼だった。

金曜日の夜から土曜日、日曜日のお昼までお兄ちゃんはどこにもいかず、そばにいてくれた。


「部屋の換気はしてるけど、寝るには不向きだから和室で寝ろ」

と、短大時代に使っていた私の部屋ではなく、リビング横の和室の部屋にお布団を用意してくれたのはお兄ちゃんだった。

「そんなのいいのに・・・」

「いや、お布団でゆっくり寝るのがいい。このお布団はちゃんと干してあるから・・・」

マメなお兄ちゃんらしい。

「ありがとう」

そんなやり取りは金曜日の夜。

それから、夜、私がお布団に入るまでリビングに居て、朝、私がお布団から出る頃にはもうリビングにいた。

そばにずっといてくれた。



「ありがとう」

「なんだよ」

「そばにいてくれてありがとう」

「落ち着いたのか?」

「うん。少し・・・」

落ち着いたのかな?

わからない。

でも明日は会社に行かないといけない。

「お昼なに食べる?ゆっくりでいいからちゃんと食べろ」

ずっとご飯を用意してくれていた。

でも少し口に入れるとご馳走様と言っていた。

ほとんど食べれていない。

「ありがとう。でも食べれないからいい」

「ダメだ。ちゃんと食べろ。咲希は卵料理が好きだったよな。何がいい?だし巻き?卵焼き?オムレツ?何がいい?」

「お兄ちゃん」

お兄ちゃんは優しい。

でも私は違う意味で涙が止まらなくなった。

止まらなくなった。
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