穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
「しました。体調不良で土曜日の予定をキャンセルするのはいいけど、でも連絡が取れなくなる理由がわからない。どう考えてもわからない・・・でも俺は咲希のことをあまり知らなくて・・・交友関係がわからなくて、会社にいる人で短大時代からの付き合いって人のことを知ってるだけで・・・」

「困ったんだ」

「困りました。でもその人に心配をかけるのもいけないかと思って・・・昼休みに咲希のマンションに行きました。合鍵をお互いに持っていたので。咲希はいなくて、でもいつも使ってるボストンがなかったから、どこかに行ったんだとは思ったんです。どこかってどこか・・・実家って真っ先に思いましたが前に聞いたことのある感じだとないかなって思ってしまって・・・」

「経緯も聞いてる?実家に、ここに近寄らない理由」

「少し聞きました」

「そう。ちゃんと知ってるんだ。男と同棲していた話」

「お兄ちゃん」

私はとても強い口調で呼んだ。わざわざそんなこと言わなくてもいいのに。

「確認したんだよ、そんなに怒るな。咲希がちゃんと言ってるのか気になったんだ。自分の今までを偽って付き合っているようなら・・・と、思ったんだ」

「きちんと聞いてます。詳しい話までは必要ないと思っていますが、その辺は気になりますから」

「そうだよね。で、君はちゃんと咲希に話してるの?」

えっ!?

孝徳は怪訝な顔をした。

「同棲してたりとか今でも連絡取ってるような人はいるの?」

「いません」

孝徳ははっきりと言った。

でも・・・

「嘘ばっかり・・・会ったんでしょう?水沢真由美さんに会ってるでしょう?」

私はそれをきっかけにこうなったいきさつを話し始めた。

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