穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
孝徳のマンションは私の家から歩いて10分。途中で曲がらないといけなかったのにまっすぐ歩いた私は孝徳に会えなかった。

「お邪魔します」

8階建ての6階。L字型の建物みたいでワンフロアに2部屋のみ。隣の音が気になるってことはなさそう。エレベーターを降り玄関のドアを開けた。

「どうぞ」

先に入るように促されて靴を脱ぐ。

「あっ、赤いスリッパ使って」

赤と黒のスリッパが揃えて並べてあった。

このスリッパお揃いだよね・・・

「友達に貰ったんだ。いい加減、彼女作れって。物から揃えるのが基本とか言って、そいつの家に行ったらまだ見ぬ彼女とお揃いの物があったりする」

「そうなの?でも彼女と揃えた方が絶対いいと思うけどな」

「俺もそう思う」

そんな話をしながら廊下を抜け、リビングに通された。

どのくらいの広さだろう?

想像通りとてもきれいにされている。

「広いね。どのくらい?」

私のマンションはワンルームだから狭い。

「この部屋は15帖で、10帖の部屋が別にある」

LDKのこの部屋で充分なのに、部屋があるんだ。

「ちょうど探してる時に完成予定の新築物件で、他の人たちは二人で住んでる人が多いらしい」

「そこに一人で住んでるの?」

「まっそんな感じ」

きっと家賃高いだろうな・・・

「じゃソファにどうぞ、荷物はその辺に置いといて」

小さいボストンを持って来ていた。

シャワーは浴びたから大丈夫だけど、明日の服や化粧品も必要だし。

「なに飲む?ワインとかあるけど、飲む?」

晩御飯は帰りに食べてきた。

お酒が飲みたいと言ったのは口実だろうけど、お酒飲みたいかな。

「飲む」

「チーズとかなんか色々つまみになりそうなものはあるから・・・」

キッチンで準備をし始めたので、私もキッチンに向かう。

「私も手伝う」






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