穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
「まだ話あるから、こっちに座って」

リビングに入るとボストンをいつもの場所に置き、ソファーに腰を下ろした。

私は何も言わずに隣に座る。

「前の会社ってどっちの会社?1社目?2社目?」

私は顔を上げた。

それも言ってなかった。

「2社目」

「じゃ、森さん曰く"あいつ"もいた?」

私は首を横に振る。

峻は来てない。

峻には会ってない。

孝徳は冷静な声でゆっくり話をしてくれてる。

でも冷静でも声が少しいつもより低い・・・

「じゃさっきのは誰?」

「人事部の主任で笠原さん。言う必要ないかもしれないけど、少し話していい?」

私は全部話すことにした。

この飲み会に参加していた理由。

孝徳がどう思うかはわからない。

でも何も言わずにいることは出来ない。

孝徳は何も言わずに頷いた。

「笠原さんは会社で唯一、先輩と付き合っていたことを知っていた人」

深呼吸をする。

「定期的な飲み会に参加してたのは、先輩がどうしてるのか笠原さんに聞くため」

孝徳の表情が明らかに曇る。

それがわかったけど、話しを続けた。

「私が辞めて1年くらいで会社を辞めたこと。新しい会社で頑張ってること。たまに二人で飲みに行くこと。そんな話を聞くだけでそれだけで良かった。先輩が元気でいるって知るだけで良かった」

孝徳がどんどん不機嫌になる。

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