俺様生徒会長に鳴かされて。



彪斗くんは、きっとにらむように、わたしを見すえた。



「おまえ、雪矢のこと、どう思ってるんだよ」


「どう、って…」



まるで責めるような問い。



間違った答えを言ってはいけないような気がして、

わたしは一生懸命ふさわしい答えをさがす…。





「やさしい、って思ったよ…」


「……」


「けど、なんかちがうの…」


「なんか?

なんか、ってなんだよ」


「えっと…えっと、ね…」



うまく言葉にできない。



今ほど歯がゆく思ったことはないよ…。



どうしてわたしは、こんなに話すのがへたくそなんだろう。





それでも、



彪斗くんに伝えたくて。



もどかしい思いをかき消すように、わたしは笑顔を作った。





「彪斗くんの方が…

ずっと、ずっと、本当にやさしい、って気がするから…」





彪斗くんは、大きく目を見開いたまま、わたしをじっと見つめた。



けど、次の瞬間、





グイって乱暴に引っ張って、わたしを強く抱きしめた―――。





「あや、とくん…!?」



突然のことに手を突っぱねようとするわたしだけど、

そんな小さな抵抗をつぶすように、もっと強く抱きしめられる…。





苦しくて息もままならない…。





彪斗くんの力がすごいから、だけじゃなくて…。



熱い体温とか、すっとする髪の香りとかを身体一杯に感じてしまって、



壊れそうなくらい、胸が高鳴っているから…。
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