俺様生徒会長に鳴かされて。



彪斗くんは最後にぎゅっと力をこめると、

意を決したように、最初と同じくらいの乱暴さで、わたしの身体を離した。



かと思うと、手をのばしてゴシャゴシャとわたしの頭を撫でまわした。



「わっわわ…

あの…せっかく結び直したので…」


「うるせぇ」


「わたし、ただでさえ地味なのに」


「うるせぇってんだよ」


「だ、って、こんなボサボサだったら、みっともないでしょ…?」



さっきの雪矢さんの言葉がよみがえる。



からかうんだったら、やめてほしいよ…。



「ばーか。

つまんねぇこと気にすんな。

…どんな姿でも、おまえは可愛いよ」



ぶっきらぼうに言われた言葉だけど、

わたしの胸は、じんと温かくなる。



からかってなんか、いなかった…?



ひどいって雪矢さんが言っていた姿でも、



彪斗くんはわたしのこと、認めてくれてた…。



ちょっとでも疑った自分が恥ずかしくなる。



そして。



ありがとう、って胸いっぱいの気持ちになる。





ありがとう、彪斗くん。



なんだか、今の「可愛い」の方が、



ずっとずっと、うれしい。



わたし、ちょっとは自分に自信を持っていいのかな…。





わたしは、じくじくともきゅるきゅるとも痛む胸を抱えたまま、勇気を出して彪斗くんにきいてみた。



「彪斗くん…今朝はどうして、こんな時間にわたしが外にいるってわかったの」
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