俺様生徒会長に鳴かされて。
報告内容は男のコからのものに限らず、
わたしに関することだったら、どんな些細なことでも言えって言われている。
例えば、さっきのヒナタちゃんの事務所へのお誘いとかがそう。
でも
特に『気をつけろ』と強く言われていたのは。
「小鳥遊優羽。
ちょっと話があるんだけど」
女の子からの、不可解な言動だ…。
突然、
まるでファッション雑誌の表紙から抜け出てきたようなキレイな女の子たちが、
まっすぐにこちらに向かってきて、わたしを取り囲んだ…。
「あのわたし…これから行くところが…」
「あーそうよね、小鳥遊さんは生徒会メンバーとして業務に忙しいのよねー。
でも、こっちにも大事な用事があるんだけど」
「ちょっと、付き合いなさいよ」と威圧的に言われ、わたしはなにも言い返せず、
引きずられるように連れていかれる。
彪斗くん…
けど、彪斗くんは少し難しい話をしているみたいで、こちらの様子には気づいていない。
大声で叫ぶこともできず、わたしは重たく足を進ませるしかなかった。
※
しばらく歩いて足をとめたのは、人の気の少ない校舎の隅。
そこでは、見覚えのある女の子…
ううん、
正確にはテレビやCMでよく見かける、キレイな女の子が待っていた。
わたしを見るなり、アーモンドみたいな形のいい目を細めて、にらみつけてきたその子は―――
玲奈さん…
彪斗くんの彼女だった人だ…。