イケメン侯爵様とお試し結婚!?
「アマルダ?」
聞きなれた声。
振り向くと、そこには姉のリリアが立っていました。
「あ、お姉さま・・・。お、お久しぶりです・・・」
目の前に立つリリアは相変わらず綺麗で、急に惨めになりその場から逃げたくなる衝動に駆られました。
「久しぶりね。珍しいわ、夜会に参加しているなんて」
「ええ、まあ、その・・・」
周りの目が急に気になって、話す事も出来ません。
比べられる恐怖。
影で笑われる恐怖。
アマルダは、リリアの顔を見ることが出来ずに、俯いてしまいました。
まさか、こんな所でお姉様に会うなんて・・・。
・・・ううん、違う。
貴族の夜会でお姉様に会わない方がおかしいのよね。
なんで気付かなかったんだろう。
もっと早く気付いていたら、私は・・・。