わたし、式場予約しました!
 


 よく、ハンコを押すだけの仕事なんてって人は言うけど。

 私は好きだ。

 そう瑠可は思っていた。

 考え事をしながらでも、押せるからだ。

 たまに寝ながら、押している。

 そして、どんどん押すのが速くなってきて。

 かつてないタイムで押せたときには、なかなか他では感じられない達成感もある。

 いつか、ハンコ押しの達人になるっ、と瑠可は、しょうもないことを思っていた。

「瑠可、ご飯いかない?」
と隣の課の麻美(あさみ)先輩に誘われた。

「もうお昼よ」

「はいっ。
 ご一緒しますっ」
と瑠可は急いでハンコの詰まった箱を片付け、立ち上がった。
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