吸血鬼の翼
鈍く重い音が止んだ。
それはロヴンが散々、ラゼキを殴りつけるのを終えたから。
ラゼキは意識が飛びそうになり、その表情は虚ろになっている。
顔の傷は浅かったが、服から覗く体の至る所には既に痣になって生々しく残っている。
床にはロヴンに殴られた事でラゼキの血反吐が所々に散らばっていた。
そんな惨状を目の当たりにしてイクシスはピクリとも動かないまま、見つめている。
否、動かないのではなく、動けなかったのだ。
瞳は2人を映しているというのに体が固まり、動いてくれない。
まるで、見えない糸に縛り付けられている様に。
リフィアも自身の仲間がやっているのだが、青ざめた表情を浮かべている。
ロヴンの残酷さや猟奇的な姿を前にして誰もが戦慄していた。
「あ~あ、ツマんないなぁ、赤子の事も何にも言わないし…それじゃ、次は君が僕の遊び相手になってくれる?」
ラゼキの両手首を離すとロヴンはイクシスへと視線を投げた。
逃がさないとでも言いたげなその深紅の双眸は恐ろしい物に見えた。
その場から体を起こすとロヴンはゆっくりとイクシスへと歩を進める。
イクシスの表情は相変わらず眠たそうにしているが、額からは幾つもの汗が滲んでいた。
「待ちぃ…や、まだ終わってへんで」
ふと弱い掠れた声が聞こえて来た。
その声を耳にしたロヴンとイクシスは背後を見る。
その視線の先にはやっとの思いで立ち上がるラゼキの姿だった。
それはロヴンが散々、ラゼキを殴りつけるのを終えたから。
ラゼキは意識が飛びそうになり、その表情は虚ろになっている。
顔の傷は浅かったが、服から覗く体の至る所には既に痣になって生々しく残っている。
床にはロヴンに殴られた事でラゼキの血反吐が所々に散らばっていた。
そんな惨状を目の当たりにしてイクシスはピクリとも動かないまま、見つめている。
否、動かないのではなく、動けなかったのだ。
瞳は2人を映しているというのに体が固まり、動いてくれない。
まるで、見えない糸に縛り付けられている様に。
リフィアも自身の仲間がやっているのだが、青ざめた表情を浮かべている。
ロヴンの残酷さや猟奇的な姿を前にして誰もが戦慄していた。
「あ~あ、ツマんないなぁ、赤子の事も何にも言わないし…それじゃ、次は君が僕の遊び相手になってくれる?」
ラゼキの両手首を離すとロヴンはイクシスへと視線を投げた。
逃がさないとでも言いたげなその深紅の双眸は恐ろしい物に見えた。
その場から体を起こすとロヴンはゆっくりとイクシスへと歩を進める。
イクシスの表情は相変わらず眠たそうにしているが、額からは幾つもの汗が滲んでいた。
「待ちぃ…や、まだ終わってへんで」
ふと弱い掠れた声が聞こえて来た。
その声を耳にしたロヴンとイクシスは背後を見る。
その視線の先にはやっとの思いで立ち上がるラゼキの姿だった。