吸血鬼の翼
足元がグラグラしてて覚束ない。まるで、高い所から下を見る時の様な震えだった。
美月は足が竦んで、立っている場所から動けないでいる。
「……こんなの無意味だ…」
イクシスが美月越しにロヴンを強く睨み付けた。
酷く胸が苦しくて、腑が煮えくり返りそうな程の激情。
何故、こんなに腹立だしいのか不思議だったが今のイクシスにはそれだけで充分だった。
美月の腕を勢い良く掴むと自身の後ろにやり、イクシスが前に立ちはだかる。
「イクシス君…!?」
「……やる…」
「なぁに?聞こえないよ。」
美月は訳が分からない様子でイクシスに訴えるが、そんな事はお構いなしだ。
俯き加減にイクシスはポツリと言葉を零す。
ロヴンは口角をゆっくりと上げて態とらしく耳に手を添える。
「…オレの血、アンタにやるから…みづきには手を出すな…」
イクシスの決意の言葉に美月とラゼキは驚愕した表情を浮かべる。
するとロヴンは息を吹き出し、お腹を抱えて笑った。
「何言ってんの?その話はもう終わったんだよ、それにそこのお姫様も充分美味しそうだし!」
深紅の瞳は美月だけを見ていた。イクシスが幾ら庇おうと阻んだとしても相手にされていない。
眼中にないのだ。
今のターゲットは美月のみ。
再び、深紅の奥にある瞳孔がギラリと細くなる。
身の毛が弥立つ程の威圧にイクシスは怯みそうになるが、美月の傍から退かなかった。
「もう、ウザイなぁ。邪魔だって言ってるでしょ!」
ロヴンは鋭利な刃物に匹敵するだろう爪を伸ばす。
ラゼキは咄嗟に走り寄ろうとするが、あと数歩の所で床に躓いてしまう。
目にも止まらぬ速さでロヴンが腕を振るえば、血飛沫が宙に舞った。
「いやああああ!」
イクシスの横腹を長い2本の爪が背まで綺麗に貫通しているのを目の当たりにした美月は甲高い声で叫んだ。
美月は足が竦んで、立っている場所から動けないでいる。
「……こんなの無意味だ…」
イクシスが美月越しにロヴンを強く睨み付けた。
酷く胸が苦しくて、腑が煮えくり返りそうな程の激情。
何故、こんなに腹立だしいのか不思議だったが今のイクシスにはそれだけで充分だった。
美月の腕を勢い良く掴むと自身の後ろにやり、イクシスが前に立ちはだかる。
「イクシス君…!?」
「……やる…」
「なぁに?聞こえないよ。」
美月は訳が分からない様子でイクシスに訴えるが、そんな事はお構いなしだ。
俯き加減にイクシスはポツリと言葉を零す。
ロヴンは口角をゆっくりと上げて態とらしく耳に手を添える。
「…オレの血、アンタにやるから…みづきには手を出すな…」
イクシスの決意の言葉に美月とラゼキは驚愕した表情を浮かべる。
するとロヴンは息を吹き出し、お腹を抱えて笑った。
「何言ってんの?その話はもう終わったんだよ、それにそこのお姫様も充分美味しそうだし!」
深紅の瞳は美月だけを見ていた。イクシスが幾ら庇おうと阻んだとしても相手にされていない。
眼中にないのだ。
今のターゲットは美月のみ。
再び、深紅の奥にある瞳孔がギラリと細くなる。
身の毛が弥立つ程の威圧にイクシスは怯みそうになるが、美月の傍から退かなかった。
「もう、ウザイなぁ。邪魔だって言ってるでしょ!」
ロヴンは鋭利な刃物に匹敵するだろう爪を伸ばす。
ラゼキは咄嗟に走り寄ろうとするが、あと数歩の所で床に躓いてしまう。
目にも止まらぬ速さでロヴンが腕を振るえば、血飛沫が宙に舞った。
「いやああああ!」
イクシスの横腹を長い2本の爪が背まで綺麗に貫通しているのを目の当たりにした美月は甲高い声で叫んだ。