吸血鬼の翼
そうして毎日を過ごしていったのだ。
イルトとラゼキは少しでもルイノの役に立つ為、互いに自分なりの修行をして強くなっていった。
たまにラゼキは1人になって魔法の練習をしていた様だ。
その時だけは何故かラゼキと接する度、イルトは妙な雰囲気を感じとっていた。
拒絶ではないが、距離がある様な酷く淡い空気。
イルトは機嫌が悪いのだろうと特に気にする事もなかった―。
又、ルイノも能力や体力が衰えない為日々の鍛練を怠らなかった。
そして彼等は半獣人によって町が被害を受ける度に民を守る為、その地に赴いては退治をするという日常に忙しなく追いかけられていく。
その途中で仲間も1人加わった。
体術技等、足を使った技を得意とし、肩ぐらいまである茶褐色の髪を1つに結っているソウヒという名前の頼もしい青年だ。
服装もこのシンパースにしては珍しい服装で目を惹いた。
旅をしてここに辿り着き、ルイノの仕事を手伝う様になってからイルト達と同様、ここに住む様になる。
気さくで明るい性格の持ち主で、ラゼキとはよく気があった。
イルトは成長して肌が強くなったのか、朝や昼でも多少の日光ならローブを着用しないで済む様になった。
決して…平和や穏やかな日々ではなかったが、イルトは仲間と一緒にいられるというだけで幸せを感じていた。
やがて、8年という長い月日が経っていったのだ。