吸血鬼の翼
この建物は廃堂となったものらしい―。
以前までは、現在礼拝堂として使われている建物と同じようにここを使用していたという。
…とルイノから聞いた。
「何か用か?」
「ううん、特に…ラゼキどうしてるかなって」
この廃堂は礼拝堂より天井が高くて幅広いものだった。
2人の声は静かに響いている。
「休憩中…や。」
「そっか…」
一息つくとイルトはラゼキの元へと足を運び、彼の隣りに物音を発てない様にそろりと慎重に座った。
「修行、はかどってる?」
「まぁまぁ…な」
辛いのかラゼキは肩を上下に揺らしながら、呼吸をしている様だった。
「…大丈夫??」
「おぅ…」
気のない返事をしてきたが、うっすらと笑みを浮かべていたのでイルトは少しだけ安心した。
すると再び誰かの近付く足音が聞こえて来た。
2人は一緒になって振り向くと想像していた通り、入口にはルイノが立っている。
「2人共、夕飯だよ。」
「待って行くよ!」
「そういえば、腹減ってきたな…」
ラゼキが手を力なくお腹におくとイルトはニコッと大きく笑って彼の手を引いてルイノのいる所へと足軽に向かった。