お面妖狐





総司の近くにいたら悲しくなるだけ。

傷が治ってなくても、起き上がれなくても無理矢理傷を治して起き上がればいいだけのこと。





「ちょっ!!まだ起き上がらないでください!!自分でもわかっているでしょう?!
どんなに深い傷をおったか!!」





まぁね。斬られたのは自分だからね。





『それでも私は帰る』


「なんでですか?」


『…総司…さんの記憶が戻らない限り、私は総司さんにはもう会わない』

「え…?」





フラフラと立ち上がり、部屋から壁を使って出た。





『チッ。人間の身体はこういうときは不便だな』





みんな、心配してるかな…。




ポンッ




パタッ




ダルい…。


妖狐に戻ったはいいけど、力が入らない。

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