お面妖狐




ヒョイッ






「へ?!」


『どっち』


「え?!え、えっと、右」






チビを持ち上げ、右に歩いた。






「ここだ。てか、おろせ!」


『音たてるだろ』


「俺よりもチビのくせに!!」


『斬るよ』






チビからパッと手をはなすと、ドシンッと床にしりもちをついた。






「いってぇ!いきなりはなすなよ!」


『おろせと言った。
だから"おとした"だけ』


「"おとせ"って言ってねぇ!
"おろせ"と言ったんだ!!」






スー






「平助君。うるさいよ」


「総司!!起きて平気なのか?!」


「だから、平気って言ってるじゃん」






平助って言うんだ。






『平助はバカなんだね。
あの薬は、傷もそうだけど、体力も回復してくれる』


「まじか?!!!」

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