お面妖狐



殺風景の総司の部屋に布団を二枚ひいて隣の布団をポンポンと優しく叩く。





『…これは、なんですか?』





手で触ってみると布みたいな感じ。





「布団ですよ。寝るときに必要な物です」





へぇ。

ゴロンと寝転がってみると、暖かかった。


母様を思い出す。寝るときはいつも母様にくっついて寝てて暖かかったから。





「おやすみ」


『はい。…おやすみなさい』





私は総司に背中を向けて床をボーと見る。



ここの人間って思ったよりもいい人?

違う人もいるみたいだけど、総司と平助はいい人。

少しは信用してもいいかな、なんて考える。


土方は昔遊んでたって兄様も土方も言ってたからまぁまぁ大丈夫だと思う。


新ぱっつぁんは面白いって言ってくれたし。どこが面白いかわからないけど。


佐之助は少し苦手だけど、みんなと喋ってるときは優しい感じ。



敬助さんはなんかありそう。
総司にあげた私の血の能力になにか考えていた。
覚えがあるような、って感じだった。



一は、苦手。

あの無表情で冷静な奴。
私とは相性がダメダメだ。



源さんは優しい。
何かあったときとかに助けてくれそうな感じ。



近藤さんはそれよりももっと優しくて、人思いで仲間思い。みんなは、本当のお父さんみたいって言ってたな。

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