Love Place
窓に流れる外の景色は色とりどりで華やかで。
車の中とは大違いだ。
そんなことを思いながら流れていく町並みを眺めていると。
「なぁ、莉茉」
と、不意に渚に声を掛けられた。
「ん?なに?」
「莉茉さ、今彼氏いんの?」
「……え?」
何、急に……どうしてそんなこと……。
「いや、いたらこんな遅くまで付き合わして悪いと思って」
そうだよね、そんな今更……。
「ううん、いないから大丈夫だよ」
「そっか」
「渚は?」
「いねぇよ」
即答で返されたその返事に、少しだけ驚いた。
「そっか……」
そう言って私はまた、窓の外を眺めた。