Love Place
「お前の駅から家までどんぐらい掛かる?」
ついにそこまで聞いてきた。
「え、えっと十分ぐらい?かな」
本当は二十分近く掛かるところをサバをよんで答えると。
「嘘つけ。お前は昔から嘘つくときは相手の顔見ないんだよ」
……え、嘘。
私そんな癖あったの?
生まれて初めて知った自分の癖に、驚きを隠せなくて。
そんな私に追い打ちをかけるように、渚が聞いてきた。
「で?ほんとはどんぐらいなんだ?」
「に、二十分ぐらい……です」
正直に答えれば。
「送る」
と速攻に返され、腕を引かれて車まで連れて行かれた。
「え、ち、ちょっと!」
そうして有無を言わさずに車に乗せられた。
「住所、どこ?」
「え、えっとE市の~」
言わされるがままに住所を教えると、渚は何も言わずに車を発進させた。