Love Place
翌日、会社に出勤した私にいち早く話しかけてきたのは朱里で。
「えっ、莉茉!?どうしたの、その目。腫れてるけど……」
嘘……。朝に頑張って隠せたつもりだったんだけどな。
「そんなに分かる?」
「いや、遠くから見たらわからないし、普通は気付かないと思うから大丈夫だけど……。
何かあったの?」
やっぱり朱里にはかなわない。
これじゃあこれから先、朱里に嘘つくことすら出来る気がしないんだけど。
「うん……。ま、まあこれも土曜日に全部話すから!」
「莉茉が大丈夫ならいいけど……。いつでも言うんだよ?」
「分かってるって!ありがとね、朱里」
そう言って私たちは自分たちの仕事を始めた。
仕事中は流石に渚のことを考える余裕はない。
なにせ私たちが働いているのは忙しいランキングで言ったら上位に入るほど忙しい
営業部なんだから。
いつもは憂鬱になるくらいの仕事の量も、今の私にとっては救いの手だ。
仕事の時間を増やせば渚のことを考える時間も自然に少なくなるかもしれない。