イジワル同期とルームシェア!?
案の定、元希は私を困らせようという気持ちを引っ込めた。
代わりに片眉を下げ、心配そうな表情を作る。


「そっか。なら、いいや。俺は、また、アヤがあの馬鹿御曹司のことでも思い出して悲しくなってんのかと思った」


馬鹿御曹司……、それは大士朗のことで間違いない。

正直言って、全然思い出してない。
やっつけろ作戦以降、すんごくスッキリしちゃって、頭の中から消えうせていたと言っても過言じゃないかも。


「やだなぁ、完全にふっ切れてるよ。涼子からの相談が結構シリアスな感じだったから、私も真顔になっちゃってたかも。夕飯、すぐ作っちゃうね」


「ん、わかった」


元希は納得したように頷いた。

ふう、まずいな。

元希と毬絵さんのことを真剣に考えても意味ないでしょ。
この同居人、結構するどいところあるし、気をつけよう。
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