イジワル同期とルームシェア!?
ここは某ヒルズのレジデンス棟。
本来なら私みたいな二十代女子がさらっと暮らせる場所じゃない。


「おい、ブン、これでもう終わりか?」


リビングの入り口で部屋を見渡していると、横で同期の青海元希(おうみもとき)が問うてきた。
最後の私物であるボストンバッグを手にして、私は頷いた。


「うん、おしまい」


「鍵はどうする?」


「私が出たら変えるとは思うけど、あとで郵送でもしようかな」


青海が肩をすくめた。あきれたようにため息をついて。


「100個くらいコピーしてネットで売ったら?今ならヒルズの御曹司宅に入り放題って」


「そんな闇商売できないっつうの。捕まるっつうの」
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