イジワル同期とルームシェア!?
1ヶ月暮らした豪華な部屋は、私の私物が無くなっても表情が変わらない。
むしろ、庶民的で女子くさい私物がなくなったら、ラグジュアリーな本来の姿に戻ったかのように見える。

きっと、あの人はこの部屋に戻っても、私の存在は欠片も思い出さないんだろうな。

未練を振り切るようにリビングに背を向けた。

靴を引っ掛けて、青海に続いて部屋を出る。
鍵を閉めると、しみじみと思った。

私とあの人の恋は終わったのだ。

たった3ヶ月の夢のような恋。

幸福な時間は矢のように過ぎていき、今、私は荷物を抱え、彼と暮らした部屋を後にしようとしている。

涙が滲んだ。
喉の奥にはざらざらの砂が詰まっていて、胸までギチギチ痛くて、もう立っているのがやっと。
< 3 / 323 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop