イジワル同期とルームシェア!?
借りている四畳半に逃げ込もうとした私の前に元希の腕。
壁に手をつき、私の逃げ道を塞ぐ。壁と元希に挟まれ、私は非難がましく元希を睨み上げた。


「好きでもない女を住まわせたりしないだろ。早く気付けよ、鈍感」


「下心があったってことでしょ?最低」


元希の挑戦的でどこか余裕のない言葉に、つい『最低』なんて返しをしてしまう。


「下心だよ、最初から。一緒に住むうちに、少しでいいから俺のことを意識させたかった」


「あわよくば、ヤッちゃおうくらいには思ってたんじゃないの?私は信じてたのに、元希の友情を」


「ああ、うまくしたら抱けるかもくらいには思ってた。おまえがニブ過ぎるから、そういうことにならなかったけど、今からでも試すか?そんな反抗的な態度、取れないくらい溺れさせてやる」


元希の口から出ているとは思えない甘く強い言葉に、私が感じたのは恐怖だった。
元希は男だ。
本気を出せば私なんかあっという間に組み敷かれてしまうだろう。


「私は……嫌。元希と、そんなこと……できない」


私は震える声で、元希に言った。
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