イジワル同期とルームシェア!?
「おまえにとっては最初からそうなんだよな。恋愛対象外。同期と清廉で楽しいシェアハウスのつもりだったんだろ?だけど、俺には違うんだよ」


元希が苛立たしそうに言った。


「俺にとって、おまえはただの同期じゃないんだよ!」


口調こそ強かったものの、元希の腕の力は消失した。
私の拒絶も恐怖も、元希には耐え難く苦しいものなのだろう。

だらりと降ろされた腕。うつむいて、悔しそうに唇を噛む元希。

私は何も答えることなく、部屋に入り襖を立て切った。


元希は私を好き。
毬絵さんじゃなく、私を好き。

私は?
私は元希を好き?


答えが出ない以上、私は元希とどうにかなるわけにはいかない。

私は、青海元希のことが好き?

心臓が痛いくらい鳴り響いていた。
私は襖に背を預け、ズルズルと座り込む。
元希の気配がリビングから消えるまで、そうして座っていた。




< 211 / 323 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop