イジワル同期とルームシェア!?
努くんは首を振った。


「俺は意識してやってないからいいんだ。涼子は、もともと短気だし、他人に感情移入するお人好しだからな。青海と古町の関係が込み入ってきた辺りから、涼子はひとりでバタバタしてただろう。おまえが奮闘してやることはない」


そんなこと言われるとしゅんとしてしまう。ああ、やっぱりから回ってたんだなぁって。


「お節介だったよねぇ」


肩を落とした私の髪を努くんがすいた。


「変な意味にとるなよ。涼子がパワーを使わなくても、遅かれ早かれ青海と古町は付き合ってた。それを心配しまくって、失恋した後輩まで面倒見てやるなんて頑張り過ぎ。そんなにキャパシティある方じゃないんだから、無理するな」


努くんが言った言葉は否定じゃない。ただの私への心配だ。
彼はぶっきらぼうだけど、ものすごく思いやり深い。



「努くん」


「なに?」


「久しぶりにたくさん喋ったね」


努くんがムッとしたような、困ったような顔になる。

ホント、無口な彼にしては色々喋ってくれたなぁ。
それだけ私に言っておきたいことだったんだろうけど。
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