イジワル同期とルームシェア!?
「ありがとう。努くんのお嫁さんになってよかった。私、幸せ者」
「そうか」
努くんはいつもの調子に戻ってしまった。そこは『俺も幸せだよ』とか返して欲しかったんですけど。うん、絶対、そんな返ししてくれないってわかってますけど。
私は信頼と感謝を込めて、ぎゅうっと指を絡めた。
努くんが握り返してくれる。
努くんと付き合って半年経った頃、私の祖母が亡くなった。
両親の離婚で母のいない私にとって、祖母は母親代わりだった。高校の時、道を踏み外しかけた私を見捨てないでいてくれたのも祖母だった。
喪が明けても何もする気が起きず、仕事を辞めようと思っていた私に努くんは言った。
『涼子、俺と結婚しよう』
新入社員だからと付き合いを断った努くんの言葉とは思えなかった。
結婚なんて、『一人前になるまでは』とか理由をつけて、30代半ばまではないと思っていた。
それが入社二年目でプロポーズしてくれるとは……。
それが努くんの精一杯の愛情なのだとわかった。
口数が少なく、いつも楽しいのか楽しくないのかわからない努くん。私とだって無理して付き合ってるのかと思っていた。
「そうか」
努くんはいつもの調子に戻ってしまった。そこは『俺も幸せだよ』とか返して欲しかったんですけど。うん、絶対、そんな返ししてくれないってわかってますけど。
私は信頼と感謝を込めて、ぎゅうっと指を絡めた。
努くんが握り返してくれる。
努くんと付き合って半年経った頃、私の祖母が亡くなった。
両親の離婚で母のいない私にとって、祖母は母親代わりだった。高校の時、道を踏み外しかけた私を見捨てないでいてくれたのも祖母だった。
喪が明けても何もする気が起きず、仕事を辞めようと思っていた私に努くんは言った。
『涼子、俺と結婚しよう』
新入社員だからと付き合いを断った努くんの言葉とは思えなかった。
結婚なんて、『一人前になるまでは』とか理由をつけて、30代半ばまではないと思っていた。
それが入社二年目でプロポーズしてくれるとは……。
それが努くんの精一杯の愛情なのだとわかった。
口数が少なく、いつも楽しいのか楽しくないのかわからない努くん。私とだって無理して付き合ってるのかと思っていた。