イジワル同期とルームシェア!?
「おい、ここで泣くとかセンチメンタルなのやめろよな」


先に立って歩く青海が振り返った。
人の感傷をぶち壊す陰険な発言じゃないですか、アナタ。


「女々しいぞ、ブン」


「女々しくたっていいじゃん!私、女だよ!」


私は溢れてきた涙を乱暴に拭った。
泣きたいけど、泣いたらもっと惨めになることはわかっている。

青海の背を追いかけ、もう来ることはないであろうセレブリティマンションの廊下を走り出した。


私、古町文(ふるまちあや)25歳。
この度、我が社の社長の息子に振られました。







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