飴とノイズと君の声
話終わって少しすると、「んん...」と琳ちゃんさんが声を漏らした。


「琳ちゃんさん...?」

「ん...あれ、俺、寝ちゃってた?ごめん、重かったでしょ...?」

「いえ。大丈夫ですよ」


琳ちゃんさんは困ったように目を泳がせる。
きっと、私の前で寝ちゃったから、少し不安になったのかもしれない。
そのせいもあって、琳ちゃんさんは私に問い掛けてきた。


「ふーちゃんは...俺のこと...」


『好きになんか、ならねぇよな?』


願うような心の声。
好かれたくない。
その気持ちが、痛いくらいに伝わる。


「...良い友達ですもんね」


私が小さく微笑むと、琳ちゃんさんは安心したように笑った。

少し、悲しい。

琳ちゃんさんのことが恋愛対象で好きかって聞かれたら、違うような気もするけど、こんなにも分かりやすく好かれたくないって気持ちを見せられると、悲しくなる。


「俺、ふーちゃんの前ではゆっくり寝られるかも」


琳ちゃんさんのその無邪気な笑顔は、私の心に突き刺さるようだった。
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