realize
「すみません…父も母も強引で…」

彼は私の目をまた真っ直ぐにみて笑うと
前に向き直り自動販売機の前に立ち
いつの間にかお金を入れていた。

「何にしますか?」

自動販売機のボタンを指差し
好きなものを選ぶように勧められた。

「すみません…!お金…」

私が慌ててお財布からお金を取り出そうとすると、
彼の大きな手が私の手を包むように制止した。


「大丈夫、早く選んで」

彼がそう優しく言ったので
私は遠慮なく従うことにした。

緑茶を選ぶと、彼は同じものを二つと
麦茶を選び再び病室の方へと歩き出した。

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