realize
病室に戻ると、なぜかはしゃぐ母の横で
珍しく笑顔の父が仲良さそうに話していた。
珍しい…
槍でも降るんじゃないだろうか…
下関さんは持っていた緑茶を母に渡すと
父には麦茶を渡した。
一種類だけ違うのを買ったから、てっきり
下関さんが緑茶が好きではないのかと思っていた。
「…もしかして、お父さん緑茶飲めないの?」
父はその質問にちょっとびっくりした顔を見せると慌てて答えた。
「いや、飲めない訳じゃないんだぞ!
…飲まないだけだ!」
…何その言い訳。小学生か…
いつも人に好き嫌いはするなと厳しく教えてきたせいで気まずいのか、妙に歯切れ悪く答える父を、半ば呆れた気持ちで見ていると、下関さんが堪えきれず笑いだしてしまった。
「いいじゃないですか、嫌いなものがあったって。」
下関さんはまだ笑いがおさまらないまま
私に面白そうに説明してくれた。
「緑茶は細かい茶葉が喉元でもぞもぞするから嫌だって言ってましたよ。」
「そうなの?!」
私と母の声がハモってしまった。
…そんなこと全然知らなかった。
「…っ!?下関くん!
なんでそんなこと知ってるんだ?!」
「前にうちの会社と懇親会した時ですよ、
緑茶ハイ飲んでるやつに、よくそんなの飲めるな、って。」
父は少し考えるように黙ると
思い出したようで、よく覚えてるな、と
感心した顔で下関さんを見ていた。
「まぁ、やり手営業マンですからね。」
そう、得意気に言うと、今度は父が呆れ顔で「自分で言うやつがあるか」と笑った。
珍しく笑顔の父が仲良さそうに話していた。
珍しい…
槍でも降るんじゃないだろうか…
下関さんは持っていた緑茶を母に渡すと
父には麦茶を渡した。
一種類だけ違うのを買ったから、てっきり
下関さんが緑茶が好きではないのかと思っていた。
「…もしかして、お父さん緑茶飲めないの?」
父はその質問にちょっとびっくりした顔を見せると慌てて答えた。
「いや、飲めない訳じゃないんだぞ!
…飲まないだけだ!」
…何その言い訳。小学生か…
いつも人に好き嫌いはするなと厳しく教えてきたせいで気まずいのか、妙に歯切れ悪く答える父を、半ば呆れた気持ちで見ていると、下関さんが堪えきれず笑いだしてしまった。
「いいじゃないですか、嫌いなものがあったって。」
下関さんはまだ笑いがおさまらないまま
私に面白そうに説明してくれた。
「緑茶は細かい茶葉が喉元でもぞもぞするから嫌だって言ってましたよ。」
「そうなの?!」
私と母の声がハモってしまった。
…そんなこと全然知らなかった。
「…っ!?下関くん!
なんでそんなこと知ってるんだ?!」
「前にうちの会社と懇親会した時ですよ、
緑茶ハイ飲んでるやつに、よくそんなの飲めるな、って。」
父は少し考えるように黙ると
思い出したようで、よく覚えてるな、と
感心した顔で下関さんを見ていた。
「まぁ、やり手営業マンですからね。」
そう、得意気に言うと、今度は父が呆れ顔で「自分で言うやつがあるか」と笑った。