きみが死ぬまでそばにいる
 
「し……なくん、待って」

 陸の手がわたしの胸へと伸びる、そこでようやくわたしは彼を制止した。

「なに?」
「ダメだよ。これ以上は」
「俺じゃダメってことですか?」

 陸は少しショックを受けたように言った。
 そんな彼から身体を離して、真っ直ぐに見据える。
 何故か、嫌な汗をかいている。息苦しくて、胸が痛む。

「……そうだよ」

 それでも、精一杯の笑みを浮かべた。
 この失恋が、陸にとって一生の傷になるように。
 わたしのことをずっと、忘れないように。

「だって、わたしたち血の繋がった姉弟なんだもの」

 なんでも持ってるきみが、ずっと憎かった。
 これは、当然の報いなの。
 
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