No one can replace 『貴方の代わりには、誰もなれない。』
Ⅲ 妹とあなた

父の友人である水上さんの
息子さんが、みえるから
「一緒に食事をとりましょう。」
と 母から告げられた。

紗綾乃は、自分には関係ないと思い
今度のコンクールに出す
絵本の作成をしていた。

夕方になり下の階が賑やかになったので、
お客様が見えたとわかり
挨拶だけして、部屋に戻らせて
もらうつもりでリビングへ向かった。

リビングでは、
妹の彩乃と男性が、
話をしていた。

私に気づくと‥‥
彩乃が、
「あっ、圭吾さん姉の紗綾乃です。」
と、言ってくれた。

私は、
「初めまして、紗綾乃と申します。
     ごゆっくりどうぞ。」
と、言って自分の部屋に戻った。

父は、
愛想もないと
怒っていたみたいだが、
私は気にしなかった。

ただ、綺麗な顔をしてる男の方だと
自分の容姿に自信がないため
ため息が漏れていた。

圭吾は、姉の紗綾乃とは、
ほとんど話せなかったが
妹の彩乃とは、気も合いそうだったので、
どちらでも良いと気に止めなかった。



それから間もなく、
二人は付き合い初め
彩乃は、圭吾のマンションにも
泊まりに行くようになり
彩乃との結婚話も 
トントン拍子に進んでいった。

圭吾は、父親が経営している
建設会社の専務として
取り仕切っていたため
仕事は忙しく出張も多かった。



   ‥‥‥そんなとき‥‥‥‥


圭吾さんの乗った飛行機が·····

 ·····墜落した·····

 ·····との···連絡が·····入った·····

彩乃は、留学が決まっていた為
今、取り止める事は出来なかった

彩乃は、単位が足らない科目があるのに
休みがちの上、提出物もきちんと
していない為
取り止めるなら退学扱いになる
と、大学側から言われた。

父の敬介は、圭吾の嫁になるのに
大学中退では、問題だと思い
行きたがらない彩乃を説得して、
留学させることにした。

だが、圭吾の両親は
二人とも多忙なため
圭吾に付き添うことができない
その為、
「婚約者の彩乃にお願いできたら」
と、言ってきた
「でも無理なら専門機関にお願いする。」
と、言った。

敬介は、
省吾の力になりたいし
圭吾の事も心配だった。

だが·····
彩乃の今の状態を話すことが、
出来ず······どうしたものか·····と・・・


幸い‥‥‥
圭吾は、命には別状なく
右手首の骨折、左足大腿骨骨折のため固定。

それと、飛行機が落ちた衝撃で
ガラスが割れ破片が飛んで
両目に外傷を負っていた。

目の手術は、
高度な技術を持つ
日本の病院で行うことになっていた。
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