自分勝手なさよなら
結局それからワインのボトルを2本空けた。
こずえも、お酒はかなり強い方だった。
ふらふらした足取りでマンションにたどり着くと、やれやれと言った顔で、秀雄が出迎えてくれた。

「こずえちゃんと飲むといつもこれだ。」
こずえは酒豪だから、一緒にいるとつい飲みすぎてしまうのだが、今日はそうではなく変な酔いがまわっていた。

誰にも言わないうちは、現実じゃなかった。
だけど誰かに口にした途端、それは急に現実になった。
現実になると、今度は罪悪感。
そして、私もまだまだ捨てたもんじゃないな、という優越感。

色んな気持ちがごちゃごちゃになって、ただ目を閉じた。
起きたら夢なのかもしれない。
それなら覚めたくない。
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