明日はきっと晴れるから



美緒ちゃんは自分の席に座り、由希奈ちゃんはその机に腰掛けていた。



ネイルアートが施された由希奈ちゃんの爪を見ながらふたりは談笑していて、

私の問いかけに、ちょっぴり面倒くさそうにこう答えた。



「えー? 応援なんて行かないしー」


「外なんて無理。日焼けしちゃうもん」


「え、でも、春町くんの応援だけでも行った方が……。
紺野くんの卓球は、私達の女子バレーと重なっちゃうから行けないけど……」



友達だから、応援に行くのは当たり前だと思っていた。


珍しく意見した私に、美緒ちゃんはプッと吹き出してから、こう言った。



「楽人が走るわけないじゃん。
知り合いの女子の応援回りに、今日は忙しいと思うよ」


「えっ⁉︎ 春町くん、走らないの?」



私が驚いていると後ろから「わっ!」と大きな声がして、同時に両肩をポンと叩かれた。



「キャッ! あ、春町くん……」



私を驚かせてアハハと笑っている彼は、学校指定の白いTシャツではなく、ドクロが描かれた男の子っぽい黒いTシャツを着ていた。


ダメージTシャツと言うのかな……。

下の方がわざと破れていたり、ラインストーンがついていたりして、スポーツ向けじゃないオシャレなTシャツだ。


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