明日はきっと晴れるから
美緒ちゃんと由希奈ちゃんと教室で過ごし、時刻は10時50分になっていた。
11時開始の私達のバレーボールの試合はもうすぐで、そろそろ体育館に移動しないといけない。
「時間だよ。行こう?」
ふたりに声をかけると、「めんどいー」と言いながらも立ち上がってくれた。
近くにはずっとスマホゲームをしている紺野くんがいて、「行ってらっしゃい」と、画面から目を離さずに手を振っている。
紺野くんは、応援に来てくれないみたい。
春町くんは……。
他の知り合いの女の子達の応援回りに忙しそうで、本当に400メートル走を棄権していた。
15分ほど前に一度教室に戻ってきた春町くんだけど、他のクラスの女子が呼びに来て、さっき女子テニスの応援をしに教室を走り出てしまった。
私達のバレーボールの応援に本当に来てくれるのかは……わからない。
美緒ちゃんと由希奈ちゃんと体育館に移動して、他のクラスの女子3人と合流した。
全く練習していないし、運動苦手な子を集めた捨て駒種目なので、負けるのは確実。
それでも私は、一生懸命にやりたいと思っている。
捨て駒と言われても、クラスメイト達が10人ほどコートサイドに応援に集まってくれているし、
点数が取れなくても頑張ったらきっと、みんな喜んでくれると思うから……。