明日はきっと晴れるから
感心するだけで、私の鈍い反射神経ではボールに追いつくことはできない。
1年生女子の打ったスパイクが綺麗に決まって、早速1ポイント取られてしまった。
今度は相手チームのサーブ。
さっきの美緒ちゃんのサーブにすごいと思っていた私だけど、1年生女子の方が上手だった。
バレー部員並の鋭いサーブが飛んできて、私は動くことができないし、
由希奈ちゃんは「無理ー。ネイル取れちゃうー」と、ボールを避けていた。
私達の中で誰もそのサーブを取れないから、すぐに試合が終わってしまいそうな勢いで、連続してポイントを取られてしまう。
7点目を取られた時、コートサイドから春町くんの声がした。
「チエちゃーん、お願いー。手加減してやってよー。
うちのクラスの女の子達を、いじめないでー!」
春町くん、応援に来てくれたんだ……。
他クラスの女子のテニスを見に行っちゃったから、来れないと思っていた。
来てくれて、嬉しいな……。
『チエちゃん』と呼ばれたのは、今、連続サーブで得点を重ねている1年生女子みたい。
その子は照れたように笑いながら、
「楽人先輩、わかりましたよ〜」と答えていた。