明日はきっと晴れるから
ピッと笛が鳴り、またその子のサーブ。
今度はアンダーハンドサーブで、ふわりとした弱いボールが飛んできたから、由希奈ちゃんがサーブカットしてくれた。
そのボールが私の方へ。
アタフタしながらも何とかパスを繋げると、
「菜乃花ちゃん、ナイス!」と春町くんの声が聞こえた。
春町くんが来てくれて、相手チームの女子に時々声をかけてくれるおかげで、一方的な試合にならずに済みそうだった。
とは言っても今の得点は8対21で、その8点も相手が故意にミスをして恵んでもらったポイントだけど……。
次は、私のサーブ。
これが二回目のサーブ。
一回目はネットに引っ掛けてしまったから、今回は何としても相手のコートに届かせたい。
「菜乃花ちゃーん、頑張れー!」
「う、うん」
春町くんの声援を受けて緊張と気合が空回りした結果……
私のサーブは斜め横に大きくずれて、高く高く飛んでしまった。
ああっ、失敗しちゃった……。
そう思いながら、ボールの軌道を目で追いかける。