明日はきっと晴れるから
1年生女子がサーブしたボールは、私の方へと飛んできた。
少し手前に落ちそうなボールに体ごと突っ込んだら、肩に当たって相手のコートに戻り、運良くコートの端ギリギリに落ちた。
「菜乃花ちゃーん、スゴーイ!」
春町くんの声がした。
クラスメイト達も、ワッと盛り上がってくれている。
得点板の私達チームのポイントが、8から9に変わった。
私……今、1点入れたの?
運動が苦手で、足を引っ張るだけの私が……。
実力ではなく、気持ちだけでボールに突っ込んだ結果のただのラッキーだけど、それでも嬉しかった。
ギャラリーの結城くんに視線を向けると、口元が微かに笑みを形作っていた。
彼も喜んでくれているのが伝わって、もっともっと嬉しくなった。
恥ずかしさも忘れて、満面の笑みを結城くんに返していた。
圧倒的に負けているのに、盛り上がっているのは私達のクラスの方だった。
それを見て、相手チームの1年生女子達は不満そうな顔をしていた。