明日はきっと晴れるから
いつものように笑うでもなく不機嫌そうでもない、感情を読みにくい彼の顔。
でも視線が合うと、片手を上げて控えめに手を振り、声に出さずに「頑張れ」と唇が動いているから、
私の応援に来てくれた……そう思ってもいいのかな。
まさか結城くんが応援に来てくれるなんて思わなかったから驚いて、そして嬉しかった。
胸が温かくなった。
トクトクと、鼓動が速度を上げていた。
ピッと短い笛の音が聞こえて、ハッと我に返る。
慌てて意識を試合に戻した。
体育祭なので、本格的な試合と違ってこの1セットだけで勝敗が決まる。
今は8対22。
あと2点、相手チームが取ったら試合は終わりで、それはきっともうすぐだろう。
勝てないのはわかっていても、自分がどんなに下手くそでも、楽しくてもう少しコートに立っていたかった。
クラスメイト達の声援が聞こえている。
結城くんの視線も感じる。
応援してもらえるのって、こんなに嬉しいことなんだね……。