あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「香坂は?」

「……え?」

「まだ独り身?」

 既婚者には見えなかったのか、市川さんは私に独身なのかとズバリ尋ねた。
 私は苦笑いの笑みをたたえつつ、コクリと静かにうなずく。

「ずっと彼氏がいないので、結婚なんて無理ですよ」

「そうかな? 香坂を口説く男はいくらでもいると思うけど」

 それはかなりのお世辞だと理解した。
 家と会社を往復するだけの毎日で、めちゃくちゃ地味な生活をしている私は、男性との交流がない。
 それに、私みたいな女を口説く男性なんていないだろう。

「葉月さんっ!!」

 自己否定の言葉を全力で並べ立てようとしたその時、遠くから自分の名を呼ぶ声が聞こえ、そちらに視線を向けると、走り寄ってくる架くんの姿が視界に入った。

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