あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
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 それから四日経って、樹沙ちゃんが出社してきた。
 一週間休んでしまってすみません、とみんなに謝る彼女は、一見以前と変わらない姿だ。

 杜村社長も、彼女になにかあったのは気づいているはずだが、あえてそっとしておくのなら、私もそうしようと思う。
 樹沙ちゃんの心の傷は、まだ全然癒えていないはずだから。


 あれから架くんと私には、微妙な空気が流れている。
 なんとなくギクシャク……という表現が妥当だろうか。
 
 別に喧嘩したわけではないけれど、話しにくいのだ。
 それは架くんも同じのようで、私には仕事上の最低限の会話しかしてこない。

 それに引きかえ、相変わらず杜村社長と架くんは仲が良いみたい。
 私には見せなくなった笑顔を、架くんは社長には惜しげもなく見せている。

 彼にとって私はただの同僚で、社長は特別なのだから、扱いが違うのは至極当然か。

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