あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「そんなわけないでしょ。もっと上だから」

「マジで?! 全然そんなふうに見えない!」

 真剣に驚いてるのかそうじゃないのか区別がつかないが、山井くんの頭の中では、私はいったい何歳くらいに想定されているのだろう。

 ここでタイミングよく頼んだパンケーキが運ばれてきて、年齢話にピリオドを打ってくれた。

 いただきます、と手を合わせてそれを口に運ぶと、なんとも言えない味のハーモニーが広がる。
 甘いものを食べると人は幸せな気持ちになれるから不思議だ。

 思いがけずここへ来ることになったけれど、こんなにおいしいのなら来てよかった。今度は樹沙ちゃんを誘ってみようかな。

「すっごくおいしいね!」

 山井くんもパンケーキを少しずつ口に運びつつ笑顔でうなずいた。

 こういう思いも寄らない出会いが、意外と“縁”になるのかもしれない。
 もちろんそれは“友人”という意味でだ。

 山井くんがこの駅を利用しているのなら、また会うこともあるかもしれないもの。
 偶然同じ電車の車両に乗り合わせることだって……。

 そんな発想はドラマや映画の世界だけなのかもしれないが、人と人がどう繋がっていくのかはわからない。

 私と架くんも、本来なら出会っていない可能性のほうが高かったはず。なのに同僚として同じ職場にいるのだから、これも不思議な“縁”だ。


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