あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「もっとフルーツの乗った豪華なパンケーキを食べるのかと思ってました」

「あぁ……やっぱり最初はこれかな~って。シンプルなやつほど、味がわかるでしょ?」

 パンケーキの生地自体を味わいたいのかな。
 ついさっきまでソースやフルーツにまどわされていた気がするけれど、気が変わったのかもしれない。

「敬語はやめてくださいよ。俺のほうが年下だろうから」

「あ、うん……」

 山井くんも私のほうが年上だと直感していたみたいだ。
 彼は人懐っこい笑顔のせいか、かなり若く見える。

「山井くんは、いくつ?」

「俺は二十三です!」

 想像よりもずいぶんと若かった。もうすぐ二十九歳の私より、六つも年下だ。
 若いねと私が苦笑いの笑みを見せると、山井くんも笑いつつ少し茶色く染めた髪をかきあげた。

「葉月さんは、俺より二歳くらい上かな?」

 これは世に言う“お世辞”というやつだ。
 わかっていても、若く見られると妙齢の私としては顔が自然と(ほころ)んでしまう。

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