あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「悩みとか、思ってることをなんでも話せるから好きなんだって」

 写真を見せられたとき、彼のどこが好きなの? と驚きながら彼女に尋ねたら、返ってきた答えがそれだった。

 幼なじみだからお互いに気心が知れているし、心の内を素直に吐き出せるのだ、と。
 そんなふうに“素顔”で付き合える人は、彼しかいない、と告げられた。

 だが、相手が誰であれ、付き合っていくうちにそんな関係はある程度築いていけるのではないだろうか。
 最初は無理かもしれないけれど、親しさが増せばお互いに打ち解けていくものだ。
 一緒にいる時間が増えれば増えるほど、ぎこちなさだって無くなっていくし、なんでも話せるようになる。

 ダメ元でそれを訴えてみたが、彼女は大きくかぶりを振った。

『私、シュージくんが好きなの』

 照れてハニかむ彼女はかわいかったが……

『それに、私には架くんは無理。カッコよすぎて緊張しちゃう。素顔なんて見せられないよ』

 俺がバッサリと木っ端(こっぱ)みじんにフラれ、熊男が勝利した瞬間だった。

 カッコよすぎて緊張って、なんなんだ。
 生まれながらのイケメンは得だと思っていたが、どうやらそうとは限らないようだ。

 まさか俺のこの容姿が邪魔をするとは。

 どんなに女にモテても、自分が好きな女に好かれなきゃ、整った顔も意味がない。

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