あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「俺、大学時代からバイトでホストを始めて、そこから数えたらもう五年以上やってるんだ。今やナンバーワンだし、辞められるわけないだろ」

 この世界にどっぷりと浸かりすぎた。普通の世界を忘れるほどに。

 もう……戻り方もわからない。

「私、会社やってるの。知ってるでしょ?」

 俺はゆっくりと頷いた。
 凪子さんと音信不通になる前、会社を立ち上げたと聞いていたのを思い出した。

「うちの会社で働きなさい」

「いや、でも……」

「架!」

 凪子さんは突然、俺の両手を外側から覆うように自分の両手を重ねてきた。
 ビックリした俺は、なにをするのだと視線をあげて彼女の顔を見た瞬間、さらに驚かされることになる。

 凪子さんが、薄っすらと涙を流していたのだ。

「お願いだから言うことを聞いて!」

 なぜ彼女が泣いているのかわからない。いったいどういう涙なのだろう。

 だけど彼女は今必死で、俺に誠心誠意懇願しているのだけは伝わって来た。

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