あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「あれ……気に入らなかった? すごく似合ってるけど」

「そうじゃなくて」

「……?」

「ただの誕生日に贈るものにしては、値段が高すぎるよ」

 言ったあとに失敗したと気づいた。“ただの誕生日”という表現はまずかった。
「婚約指輪ならいいの? だったら婚約しようか」……なんて、架くんなら言い出しかねない。

「誕生日は、一年に一回しかない特別な日だろ?」

「でも……」

「値段のことなら心配いらないから。ベンツ売った分とか、貯まってる金もまだあるし……」

「そういうことじゃない!!」

 私が言いたいのはお金があるとかないとか、そういう問題ではないのだ。金銭感覚の話をしている。

 私が誕生日プレゼントでこんな高価な指輪をもらって喜ぶなんて、分不相応だと思う。
 資産家の大金持ちではないのだから。

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