あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「私はフードフェスに一緒に行ってくれるだけでよかった」

「それじゃ俺の気が済まない」

 はっきりとした切ない表情で、架くんがふるふると首を横に振る。

「付き合って初めての葉月の誕生日なんだから、なにか形に残るプレゼントがしたかった。俺はフードフェスじゃなくて、もっと高いレストランで……」

「高ければいいの?」

 じわりじわりと悲しみが胸に広がる。架くんは、フードフェスが……嫌だったのだ。
 私と同じように楽しんでくれていると思っていたけれど、違ったのかもしれない。

 こういう些細な感覚のズレは、心にズシリとくる。
 同じもので、一緒に喜んだり楽しんだりできない気がしてくるから。

「俺は葉月が喜ぶと思って……」

「とにかくこの指輪は受け取れない。返品してきて?」

「返品?!」

「だって勿体ないよ。 私が持ってても宝の持ち腐れだもの」

 空気が重い。どうしてこんなことになったのだろう。
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